フェリーで樺太に着いた後はユジノサハリンスク(豊原)へ!駅のすぐ前にあるホテル「モネロン」が、交通の便よく綺麗でオススメでした。英語もほとんど通じないけれど、グーグル翻訳があればどうにか乗り切れるはずです。キリル文字だけでも読めるとだいぶ街歩きしやすく感じるはずです。
以下、観光スポットを独断と偏見に基づきランキング形式でまとめました。
- 【1位】サハリン州立郷土博物館
- 【2位】山の空気展望台
- 【3位】ガガーリン公園
- 【4位】 サハリン州立美術館
- 【5位】レーニン広場
- 【6位】チェーホフ記念館
- 【7位】サハリン動物園
- 【8位】こども鉄道
- 【9位】終戦記念碑
- 【10位】鉄道歴史博物館
【1位】サハリン州立郷土博物館
樺太にきてまず行くべき場所がこちら、サハリン州立博物館です。日本統治時代の樺太庁博物館が、現在でもロシアの博物館として使われているのです。
瓦の屋根や、門の前の狛犬がなんとも日本風。外観を見るだけでサハリンの歴史に思いを馳せることができます。
中ではサハリンの生き物や歴史に関する展示を見ることができます。稚内にも同様の展示はありましたが、さすがにトナカイはいなかったので、北に来たことをしみじみと感じます。
サハリンの少数民族に関する展示もあります。恥ずかしながら、アイヌは北海道にのみいた民族だと最近まで思っていたので、樺太にもいたことを知り驚きでした。アイヌ、ニブフ、ウィルタの展示は、ここに限らず色々なところで見ることができました。
左の写真の本には「奉迎したる土人ギリヤーク・アイヌ」との文字があります。「土人」という表現はあかんやろーと思いつつも、異国の地で日本語を見つけるとホッとしてつい読みこんじゃいますね。
間宮林蔵の展示もありました!樺太が島であることを突き止めた彼の功績は、ロシアでも高く評価されているようですね!
内部の展示は有料ですが、お庭は無料で開放されているのでぜひぜひ散歩してみてほしいです!戦車や少数民族の住居、日本統治時代に天皇の写真が飾られていた祠(?)など、サハリンの歴史を思わせるものがたくさんあります。右の写真は庭に放置されていた何らかの石碑です。かわいそうなので立ててあげてほしい。
【2位】山の空気展望台
ユジノサハリンスク随一の絶景スポットがこちら!街の北に位置する山の空気展望台です。ガイドブックによると、金曜16:00-20:00、土日は12:00-20:00で営業しているようですが、ネットでは他の情報もありました。営業時間が広まったのかもしれませんが、毎日営業しているわけではないようなので、事前に確認したほうが安心かもしれません。
300ルーブルでチケットを買い、ゴンドラで上へと向かいます。チケットには中腹まで/頂上までの二種類ありますが、絶対に頂上まで行った方がいいです!
頂上にはカフェがあり、飲み物や軽食をテイクアウトして眺めを楽しみながら食べることができます。
展望台からの景色はまさに絶景…碁盤の目のように整備された街並みと、それを取り囲む手付かずの山々の対比が素敵です。この百年でユジノサハリンスクを統治する国が変わり、街並みは大きく変わったけれど、山々はもっとずっと昔から変わらず存在し続けています。雄大な景色を一時間ほど堪能して、ゴンドラで下山しました。
【3位】ガガーリン公園
ユジノサハリンスクの北に位置するかなり広い公園で、市民の憩いの場となっています。緑豊かで、遊具も多く、多くの地元民が日向ぼっこしていました。
催し物も開催されているようで、私が訪れた日にはグルジアの歌と踊りのショーを見ることができました。音楽に合わせて観客のおばさまたちもステージの前へやってきて、気ままに踊り出していました。日本ではなかなか見ない光景だったかも。
ちなみにこの公園の一画は遊園地になっています。世界観が謎すぎる遊具や、パチモンのミッキーマウスがお出迎えしてくれました。げっ歯類の顔をしています🐭いくつか全く人もいない、廃墟じみた遊具もありましたが、係員さんがいる遊具は現役で遊べるようでした。
せっかくなので私も遊具にトライしてみました!遊園地のランドマークである観覧車、一回およそ400円です✨全体的にぼろいのと、窓ガラスのないオープンな設計なので、観覧車なのにスリル満点です。
絶景とまではいわないものの、ガガーリン公園を見渡すことができ、気分爽快でした!
【4位】 サハリン州立美術館
お次はサハリン州立美術館!日本統治下の頃の、北海道拓殖銀行豊原支店の建物が、現在では美術館として利用されています。重厚な建物です。
日本関係の展示もいくつかありました。写真はカラフルな古事記の抜粋です。もちろん樺太では日本語を目にする機会がないので、こうした場所で日本語の文字に出会えるとホッとします。
ロシア・樺太関係の絵画ももちろんありました。左の絵画は、トナカイを牧畜しているようなので、樺太の少数民族ウィルタを描いたものでしょうか?右の絵画はシベリア鉄道に乗車したときの車窓から見えた風景と似ていて、懐かしい気持ちになりました。
二階には朝鮮関係の芸術品の部屋もありました。左の写真の、透かし刺繍がとても美しかったです。
この日の二階担当の職員さんは、お年を召した朝鮮ルーツのロシア人女性でした。彼女が小さい頃、近所に日本人の子供がいたそうで、そのことの交流を通して日本語を少し学んでいたそうです。一人称が「俺」だったので、近所の子供はやんちゃな男の子だったのだろうか、などと彼女の子供時代に思いを馳せました。歴史の跡は人々の暮らしの中にまだ残っているようです。職員さんとはたどたどしい日本語・英語・ロシア語で会話をし、「お互い日本語とロシア語の勉強頑張りましょう!」と握手をして別れました。頑張らなきゃ!!
【5位】レーニン広場
ユジノサハリンスク駅前の公園で、市民の憩いの場になっています。巨大なレーニン像が目印です。レーニンの足元では子供たちが駆けまわったり、スケボーの練習をしたりしていました。のんびり日向ぼっこするのに最適です。
【6位】チェーホフ記念館
ロシアの文豪チェーホフの作品に『サハリン島』というルポルタージュがあります。流刑地としての樺太を調査した記録をまとめたもので、その記念館がユジノサハリンスクにあります。
記念館の内部には小説の場面を再現したと思われる展示がありました。残念ながら私は『サハリン島』を読んだことがなく、説明もロシア語のみだったのであまりよく分かりませんでした。それでも、ろう人形がかなりリアルだったので、流刑囚の悲惨な生活は何となくイメージできました。
『サハリン島』読了者ならきっと感慨深い思い出が得られるんだろうと思います。未読者はわざわざお金払って入館するほどではないですが、草木に囲まれたお庭が素敵で、周辺施設を訪れるついでに散歩するのにはうってつけの施設です。
【7位】サハリン動物園
街の北の方、こども鉄道の近くにサハリン動物園があります。サハリン州唯一の公設動物園だそうです。上野動物園や旭川動物園のような、一大観光スポットとなっている園をイメージしていくと、少しがっかりしてしまうかも。日本で言うならば、「地方都市の少しさびれた動物園」くらいの規模感でした。
園内の地図はこんな感じ。こじんまりとしています。
鳥コーナーでは野生のハトが餌を食い散らかしてました。でも、何羽か白鳥を見られたのは嬉しかったです。一番右の写真はふれあいコーナーのミニブタです。しかし、何らかの理由でふれあいコーナーには入れませんでした。残念。
オオワシやトナカイなど、サハリンならではの動物も展示されています。トナカイはエゾシカよりさらに大きくてびっくりしました。奈良の鹿より二回り以上大きかったです!本当は雄の写真を撮りたかったのですが、小屋の中で一休みしていて出てきてくれず、雌のお尻の写真しか取れませんでした。
他、ラクダ・馬・アルパカ・カピバラ・トラ・魚など、色々な動物がいました。草食動物との距離が近く、ロシアの親子は売店か何かで買った餌を手渡ししていました。動物も人になついている様子で、「餌ちょうだい!」と寄ってきてくれました。
温かい日差しの中誰ている動物が多かったのですが、このクマだけは元気に丸太で遊んでいました。
順路の脇に色々な置物があったのですが、世界観が全く統一されていなくてシュールでした。三つ首のドラゴンのすぐわきに『ふしぎの国のアリス』の白うさぎがいたりして、ここはどこやねん!と突っ込みたくなりました。他、北海道でよく見る木彫りのクマもいました。
【8位】こども鉄道
動物園のすぐわきに「王子が池」と呼ばれていた池があり、その周りをぐるっと線路が取り囲んでいます。決まった時間になると「こども鉄道(鉄道について学ぶ子供が運転する列車)」が線路の上をゆっくりと走ります。踏切もあり、列車に乗った親子が手を振ってくれるので、心がほっこりします。
池の近くにはカフェも併設されていて、ユジノサハリンスクの街をたくさん歩いた後でのんびりするのにぴったりのスポットです。
【9位】終戦記念碑
ガガーリン公園の近くにある終戦記念碑には、3000人以上の戦死者の名前が刻まれていました。また、戦争を偲んで永遠の火が燃やされていました。この火は各都市にあるようで、昨年のユーラシア大陸横断旅行でもイルクーツクやモスクワで同様のものを目にしました。ロシアの他の都市を訪れたことのある方には、感慨深いスポットだと思います。
【10位】鉄道歴史博物館
駅のすぐそこにある施設です。右の建物に「Museum」と書いてあったので、博物館であることは間違いないものと思われますが、扉が閉まっていたので諦めました。何だったんだろ??
次回はサハリン鉄道に載って終着点ノグリキまで行ってきます!宮沢賢治『銀河鉄道の夜』のモチーフとなった鉄道なので、お楽しみに♪