札幌を観光したあとは、北海道最北端の稚内まで行ってきました!当時は胆振地方の地震の影響で電車が止まっていたため、都市間高速バスで6時間かけていきました。札幌駅から、日に何本か出ていたので便利でした♪
稚内駅のすぐ前にバスターミナルもあります。駅は想像していたよりも大きく、コンビニやお土産屋さんも併設していました。日本最北端の線路に触ることもできます!
宗谷海峡をはさんですぐそこに樺太があるためか、看板にロシア語表記があったことも印象的でした。実際にロシアから観光に来ていた人もいました。
宗谷丘陵・白い道【オススメ】
当時は胆振地方の地震直後で観光客が少なかったこともあり、宿のオーナーがご厚意で白い道まで案内してくれました(本当にありがとうございました!!)。
ホタテの貝殻の破片が敷き詰められた真っ白い道が数kmにわたって続いています。稚内はホタテの一大産地で、貝殻が余って余って仕方なく、牧草地へ続く道を舗装するのに使ったのが発端のようです。
観光バスは白い道を通らず、公共交通機関では行きづらい場所にあるのですが、本当にきれいでオススメな場所です!真っすぐな道あり、曲がり道ありで、インスタ映えスポット多数です。バイクや車でも行けるので、ご自身で運転できる方はぜひ訪れてみてください。(なお、11月頃から5月下旬までは通行不可のようです。)
白い道へ行く途中や、観光バスのルートで通る宗谷丘陵にも注目です。このなだらかな丘陵は、一万年前に氷河期の凍結と融解の繰り返しによってできたものだそうです。北海道遺産にも登録されており、ヨーロッパの牧草地を思わせる、ほのぼのとした光景が広がっています。
また、稚内では強い風を活かした風力発電が盛んなようで、宗谷丘陵には全57基の風力発電設備がたてられています!こちらも壮観なのでお見逃しなく!
観光バスの道中で、放牧されている宗谷牛に出会いました。夏の間、宗谷牛たちは広々とした牧草地で放牧され、のびのびと育てられるようです。そうしてストレスフリーに育てられた牛が美味しくないはずがなく…夜ご飯では宗谷牛肉料理がおすすめです。柔らかな食感でほっぺが落ちそうになりました♪
稚内副港市場・稚内市樺太記念館
駅から徒歩10分の所に稚内副港市場があり、海の幸をふんだんに使った飲食店や温泉、そして稚内市樺太記念館があります。今回は樺太を目指しての旅だったので、樺太記念館に立ち寄りました。
一番左側のポスターの人物は間宮林蔵です。稚内から旅立って樺太を探検し、大陸の一部ではなく島であることを発見した人物で、稚内では彼の絵・銅像がたくさん見られます。
樺太が日本統治下にあったころの資料がたくさんありました。この写真を見ると、昔の日本の地方都市のように見えますが、実際に現在の樺太に行ってみると街並みも人々もロシアのそれなので、ギャップに驚くはずです。土地自体は変わらないのに、国が変わるだけで、街の姿はすっかり変わってしまうんだなあと…。不思議な感覚になります。
瀬戸邸
続いて、稚内駅から徒歩5分の場所にある瀬戸邸へと行きました。こちらは底引網漁で財を成した瀬戸常蔵の邸宅です。外から見ると普通の邸宅ですが、中にはお金持ちならではの品がたくさん飾られています!
そのうちの一つが写真の象牙の宝船です。この船も七福神も、すべて象牙で作られているというのだから驚きです。それぞれの帆は貼り合わせ無しで一つの象牙で作られており、どれだけ大きい象牙が使われたのかはかり知ることができます。いったい何円出せば作れるのでしょうか…。
他にも数mはあるサンゴの枝や、クマの毛皮、数百万円の茶器など、豪華な品がたくさんありました。さらに家自体も部屋ごとに天上の造りが異なっていたりと、遊び心満載です。受付のガイドさんが丁寧に説明してくださいます。私は観光バスの時間が迫っていたため早足になってしまいましたが、可能であれば一時間弱くらい時間をとって、じっくり見ると隅々まで楽しめるはずです。
北防波堤ドーム
定期観光バスで巡れる一つ目のスポットがこちら、北防波堤ドームです。駅から近いので、十分徒歩でも訪れられます。このドームができる前は、もともとの防波堤を高潮が乗り越えてしまい危険な場所だったそうです。もちろん現在はドームがあるので安全です。古代ローマを思わせる重厚なアーチ型建築は、外から見ても中から見ても絵になります。
百年記念塔・稚内公園【オススメ】
その後、バスは稚内公園の上に位置する百年記念塔へ。この塔には展望台があり、天気が良ければ利尻・礼文・樺太などの島々を見渡すことができます。
下の階にも、稚内で見られる生き物たちや、稚内の歴史についての展示があります。冬の稚内にはオオワシなどの猛禽類も訪れるそう!また、南樺太が日本統治下にあったころの、日本とロシアの国境碑レプリカもありました。これから当時の国境を超えるのかと思うと胸のワクワクが止まりませんでした♪
すぐ近くの稚内公園には氷雪の門をはじめ、多くの像が建てられています。写真の氷雪の門は、樺太で亡くなった日本人のための慰霊碑だそう。樺太がロシアの実行支配下に置かれて銅像を建てられなかったため、せめて故郷の樺太が見える土地に…ということで稚内公園に建てられたのだそうです。
彼女が上を向いているのは、涙が溢れないようにするため。足を曲げているのは、立ち上がって未来へ進むため。そしてスカートのひだは樺太の山や宗谷海峡の波を表しているのだそうです。樺太への様々な思いが込められています。
また、ホルムスク(真岡)へのソ連軍侵攻の際に、電話交換手としての仕事を全うして殉職した九人の乙女の碑もありました。こちらも樺太には建てられなかったため、樺太の見える地に建てられたそうです。その悲話を聞いた昭和天皇・皇后両陛下の歌の碑もありました。
タロ・ジロで有名な南極観測樺太県の像もありました。犬たちは稚内で訓練を受けていたそうです。以上のように樺太や稚内にゆかりのある像が多くたっていましたが、右の彫刻だけはは説明もなく、マジで何か分かりませんでした。
ちなみに、バスガイドさんによると稚内公園の売店で売っているソフトクリームは、市で一番おいしいのだとか!北海道名物のハスカップソースをかけることもできました♪濃厚でとっても美味しかったので、ぜひお試しあれ!!
宗谷岬【オススメ】
稚内へ来たからには、北海道最北端の地である宗谷岬は外せません!海の向こうに樺太を見ることができます。
稚内公園に引き続き、宗谷岬にも多くの石碑があります。まずは宮沢賢治の記念碑。最愛の妹トシを亡くしたのち、彼女との心の交流を求めて彼も稚内から樺太へと旅をしました。その旅のなかで、樺太鉄道にインスピレーションを受けて書いた作品が『銀河鉄道の夜』だそうです。
男女の像は、北海道の牛乳生産量100万トン突破と、飼育乳牛50万頭突破を記念して、酪農の夜明けを象徴しているものだそうです。二人の目線の先には、緑豊かな宗谷丘陵が広がっています。
最後の鶴のような石碑は、1983年の大韓航空機撃墜事件の慰霊碑だそうです。この石碑に使われている石の数=犠牲者の数で、意味が込められているらしいです。
宗谷岬には「間宮堂」というラーメン屋があります。稚内では、「ラーメンは北に行くほど美味くなる」という看板がいくつもありました。それが本当なら、ここ間宮堂のラーメンは日本一美味いということになりますね!!あまり本州では見かけない帆立ラーメンを食べてみましたが、実際にすっごく美味しかったです✨
階段を下って、海のそばまで行くと日本最北端の地の碑があります。ずいぶん遠くまで来たものです。
近くには間宮林蔵の像がありました。彼もこのあたりから樺太へと旅立ったのでしょうか。ロマンあふれますね。
この碑の近くに、濃い水色の建物(お土産屋)があります。中に入ると、流氷館への入り口があり、無料でマイナス10度の世界を体験することができます!また、お土産屋では日本最北端の地への到達証明書を購入することができます。旅の思い出にお勧めです!
ノシャップ岬
その後観光バスでノシャップ岬へと向かいました。どうも観光バスは夕日の時間帯にノシャップ岬につくようなスケジュールを立ててくれているようで、日が沈む様子を眺めることができました。まさに絶景です!
また、この日はすがすがしい秋晴れで、利尻富士がくっきりと浮かび上がって見えました。ちなみに、利尻富士がここまでくっきりと見える日は少ないそう。9月など、秋がねらい目らしいです。
稚内温泉 童夢
観光バスの旅を終えた後、駅から路線バスに乗って日本最北の温泉「童夢」へと行ってきました。露天風呂あり、薬湯あり、綺麗な温泉で心のびのびできました。ちなみに、最北の温泉入湯証明書を購入することができます。
私は「日本最北の温泉」に入りたかったのでここまで来ましたが、特にそうした思い入れのない方だったら、稚内駅から徒歩圏内の副港市場に温泉があるので、そちらもおすすめです。
氷雪荘【おすすめ宿泊施設】
最後になりますが、今回は「氷雪荘」という宿に泊まりました。宿のオーナーがとってもとっても親切な方で、稚内の有名スポットや観光ルート、さらには樺太のことまで、観光情報を丁寧に教えてくださいました。駅近で交通の便もいいので、これから稚内旅行を予定されている方は是非一度ご検討ください。お勧めです✨オーナーさん、本当にありがとうございました!!
次回はフェリーで樺太へと向かいます!!