卒論等のため、すっかり久しぶりの更新になってしまいました。9月の旅行の記録です。
ワルシャワに引き続き、同じくポーランドの都市、クラクフへとやってきました。旧市街あり、お城あり、ユダヤ地域あり、モダンアートあり、かなり盛りだくさんで楽しい街でしたっ(*'▽')おすすめです!
旧市街
旧市街への道は、パステルカラーの建物が多く、優しい印象でした(*'▽')旧市街はとってもボリューミーで、たっぷり時間をとっても飽きずにいろいろ回れます!
聖マリア教会(St. Mary's Church)
旧市街にそびえたつこの教会では、毎時ぴったりになると、塔の上の方の窓が開き、ラッパの演奏が行われます。実はこのラッパの伝統には言い伝えがあります。昔々、モンゴル人がポーランドにまで侵攻してきたとき、塔の見張りがいち早くそれに気づいて、ラッパで味方に敵襲を知らせようとしました。しかしモンゴル人もそれに気づき、遠くから弓の名手が塔の上部にいた見張りを見事射ることに成功し、奇襲をかけられたクラクフは陥落したそうです。その見張りを偲び、今でも毎時ごとにラッパを鳴らす伝統が続いているのだとか。
しかし!ガイドさんによるとその伝説は完全なる嘘だそうです。というのも、モンゴル人がポーランド侵攻をしたのは、この塔が完成する前だったためです。なぜこんな伝説が広まったのかというと…今から少し前、アメリカ(?)の紀行文筆家が、塔の上からのラッパ演奏を聴き、なぜそうした風習があるのか地元の商人に聞きました。地元の商人は、ぶっちゃけそんな理由知らなかったのですが、お馬鹿さんだと思われたくなくて、見栄を張って作り話を聞かせてやったそうです。それをアメリカ人(?)が母国で本にまとめ、それがクラクフへ逆輸入され、広まってしまったのだとのこと。へぇ~。
また、聖マリア教会には二つの塔がありますが、ちょっと形と高さが異なっています。実はこれにも言い伝えがあります。この教会を建てるにあたり、ある兄弟がそれぞれの塔の建築を担当し、どちらがより立派な塔を建てられるか競っていました。一方には建築の知識があったため、先に完成することができました。しかし完成させた後で、彼は兄弟にもっと美しい塔を作られるのではないかと恐れるようになり、ついには彼を殺してしまったそうです。そのナイフが、織物会館の入り口にかかっています。また、兄弟を殺したことの罪の意識に苛まれ、彼自身も自分で建てた塔のてっぺんから身を投げてしまったのだとか。
しかし、ガイドのお兄さんによるとこれも真っ赤なウソだそうです。塔の高さが違うのは、もし同じだと見張りの際に死角が生まれてしまうから。あんまりロマンのない、実用的な理由でした。
教会の内部はこんな感じ。すごくカラフルで、きらきら綺麗です。写真撮影するためには、入場料の他に別途お金(約150円)が必要だったのですが、十分に元を取れます。
織物会館
続いて織物会館に入ります。外を回っても、中を通っても、お土産店がたくさん並んでいて、目を奪われます。
もふもふのスリッパや、切り絵のようなヴィチナンキ柄の小物など、ポーランドらしさ満点の品がたくさんありました!
旧市庁舎の塔
夕方に旧市庁舎の塔を登りました。結構上の方まで登れて、一日かけて歩き回った街を眺められるのは気分良かったです。上の写真では聖マリア教会が見えています。別の窓からはヴァヴェル城を見ることもできました!街の大道芸人の演奏や賑わう人々を見ていると、なんだかほっこりします。
武器が展示されていて、今にも冒険が始まりそうな感じでした。
謎の頭の像
クラクフの旧市街中心部に、ちょっと街に不似合いな頭のモニュメントがありました。これはイゴール・ミトライという優れた芸術家がクラクフに寄贈してくれた像だそうです。しかし寄贈にあたり、「ぜったい中央広場においてほしい」とミトライが条件を付けたため、クラクフ市は断り切れず、中世の雰囲気が色濃く残る旧市街にこの現代的なモニュメントを置かざるを得なくなったのだとか。
突拍子もない印象を与えはするものの、その奇抜さが人目を惹くのか、子供たちを中心にちょっとした観光スポットになっています。頭の中の空洞に入って記念写真を撮っている人もいましたが、ガイドさんによると夜は浮浪者が寝泊まりすることもあって清潔とは言い切れないので、あまりお勧めしないそうです💦
Dobra Kasza Nasza
これは観光スポットではなくレストランなのですが…コンセプトが素敵&美味しかったのでお勧めさせてください!
このDobra Kasza Nasza というレストランは、十九世紀になってポーランドで小麦やジャガイモがメジャーな食べ物になるより前に、千年もの間食文化の中心を占めていた"groats"という穀物料理を提供しています。穀物のつぶつぶの食感と、野菜の優しいオーガニックな味付けがたまらないです。お肉料理に飽きてしまったり、ちょっと変わったものを食べたい方はぜひ足を運んでみてください!
ENGLISH MENU | Dobra Kasza Nasza
ヴァヴェル城
旧市街からちょっと歩いて、ヴァヴェル城までやってきました。
城壁の中に入るとこんな感じです!ヨーロッパのお城に入ったのはこれが初めてだったのですが、あまりの広さにびっくりしました。城壁の中に街が一個入ってるみたいです。大広間や博物館など色々見れるようでしたが、結構並んでいたのと、あんまり時間がなかったのとで断念しました。展示に興味ある方はきちんと計画建てて時間とって行った方がよさげです。
竜の棲み処(Dragon's den)
その代わり、Dragon's denという謎の施設を発見したので、行ってみることにしました。
Dragon's denの看板に従って進み、チケットを買ってスタッフさんに見せると、竜の棲み処に入れます。ただ、お城の外に出てしまうことになるので、他の展示を見て最後に入るのがおすすめです。
ちょっと見にくいですが、中は写真のような感じの洞窟になっていました。暗くてごつごつした洞窟を、赤いライトが仄かに照らしています。火山の中にいるみたいで、雰囲気満点です!子供連れのご家族が多く、盛り上がっていました。
洞窟の外に出ると、ドラゴンの像がありました。しばらく見ていると、口から火を噴きだしました!!かっこいい~~~
もともとヴァヴェル城にはドラゴン伝説が根付いていたみたいです。昔々、ヴァヴェル城のふもとには洞窟があり、そこには悪いドラゴンが棲みついていて、クラクフの人々を困らせていました。ある日王様は、ドラゴンを倒したものを次の王様にするとお触れを出しました。たくさんの人がドラゴン倒しに挑戦しましたが、なかなかうまくいきません。そんな中、挑戦者の一人である靴屋さんは機転を利かせて、羊の中にスパイシーなお肉を詰め込んでドラゴンにお供えしました。すっかり騙されたドラゴンがお供えの羊を食べたところ、あまりの辛さにびっくり仰天!ふもとのビスワ川の水を飲んで飲んでたくさん飲んで…ついには飲みすぎて破裂してしまいました。こうして靴屋さんはドラゴン退治に成功し、次の王様になったそうです。めでたしめでたし。
ドラゴン伝説が根付いているため、お土産にもドラゴンがいっぱい!カラフルなぬいぐるみで埋め尽くされている屋台がたくさんあって、可愛らしかったです。
カジミェシュ地区
ヴァヴェル城を訪れた後は、ちょっと足を伸ばしてカジミェシュ地区へ。この地区はユダヤ人地区として有名で、シナゴーグやカフェも立ち並ぶ観光スポットなのです。
カジェミェシュ大王の絵
ところで、この「カジミェシュ」という言葉を私はどこかで聞いたことがあったのですが、何だったのか思い出せずモヤモヤしていました。しかし街中でKazimierz Wielkiを描いた絵を見て思い出しました。「カジミェシュ」というポーランドの王様について世界史で習っていたのです。
近くの看板によると、「1333年~1370年まで君臨したポーランドの王様。ヨーロッパでもっとも有名な王様の一人で、彼はPiast(ピャスト)王朝の最後の君主だった。彼の統治のもと、ポーランドの領土はほぼ三倍にまで広がった。宝物庫は満タンで、新しい城が建てられ、街がつくられ、防御施設が再建された。1364年にカジミェシュは今日のヤゲヴォ大学を建てた。1335年に彼はカジミェシュ町にマグデブルク法のもと統治する特権を与えた。この町は(後にクラクフに合併したが)彼の名前を残している。彼に関しては、『彼は木でできたポーランドをみつけ、石でできた国を残した』と言われている。」だそうです。偉大な王様だったんですね。あとイケメンですね。
カジミェシュ大王の絵の隣には、綺麗な女性の絵もありました。彼女の名前はEsterka Malach。「ユダヤ人の素晴らしい美女で、Jan Dlugoszによると、カジェミェシュ大王の伝説上の恋人。Kazimierz広場のすぐ近くのKrakowska Street のNo.46に彼女の家がある。彼女と王様のロマンスは、ポーランドのたくさんの作家にインスピレーションを与えた。」でも、Wikipediaを見てもカジェミェシュ3世の配偶者一覧に彼女らしい人の名前はなかったので、あくまで伝説上の人物なのでしょうか。なんだかロマンチックです。
Stara Synagoga (Old Synagogue)
ついにシナゴーグへとやってきました。バルト3国ではユダヤ人迫害の歴史は残っていても、シナゴーグなど文化が残っているスポットには行けなかったので、これが人生初シナゴーグです。ご覧の通り、とても大きくて立派な建物です。
中はこんな感じでした。質素だけど荘厳で、教会とはまた違った良さがあります。この建物は博物館としての役割も果たしているようで、ユダヤ人の文化についてたくさんの展示がありました。絵画やお祈りグッズも飾られていました。また、上の写真のユダヤのおじさんがかぶっているような、ちょこんとした帽子がお土産として(?)近くの屋台で売られていました。
シナゴーグの他にもカフェが立ち並んでいて、のどかな雰囲気を楽しみつつ一休みできます。
Remuh Synagoga
もう一つ、すぐ近くのRemuh Synagogaにも行ってきました。先ほどのOld Synagogueほど観光地化しておらず、落ち着いた雰囲気です。
中に展示などはありませんでしたが、だからこそ普段のシナゴーグの姿を見ることができた気がします。ひっそりとした荘厳な雰囲気を楽しみたい方にはぜひおすすめです。
このあとはポーランドを出てプラハに向かいます!