モネ、シスレー、ピサロなど、多くの印象派の画家に愛され描かれてきた町、アルジャントゥイユ (Argenteuil)を訪れました。パリのサン・ラザール駅から10分程度で着き、半日あれば十分に街歩きできる、訪れやすくコンパクトな街でした。
アルジャントゥイユ駅まで

パリのサン・ラザール駅からトランシリアンJ線に乗って、アルジャントゥイユ駅へ向かいます。
印象派巡りの旅はすでに始まっています!サン・ラザール駅といえば、モネが連作を描いていることで有名な駅です。モネの絵にも描かれた特徴的な三角屋根を見ながら、印象派をめぐる旅に思いを馳せます。


アルジャントゥイユ駅に着く直前で、鉄橋でセーヌ川を渡ります。実はこの鉄橋、しばしばモネの絵にも登場しています!セーヌの河岸を見ながら、モネはどの辺にキャンバスを構えていたのかな、なんて考えるのも楽しいです。
モネの家 (Maison Impressionniste Claude Monet Argenteuil)


モネの家はアルジャントゥイユ駅から徒歩数分の場所にあり、この町の観光の目玉スポットです。営業日は水土日のみ、昼の時間帯や日曜午前、8月いっぱいは休館などややこしいので、訪問前にHPをご確認ください。
https://www.maisonimpressionniste.fr/fr/informations-pratiques-0
入り口の扉は閉まっていましたが、インターホンを鳴らしたら開けてくれました。受付にてチケットを買った際に、係の方がフランス語で簡単な背景説明をしてくれました。普仏戦争に敗れ、復興とともに近代化を進めていた当時のアルジャントゥイユに、モネは7年間居を構えた…みたいな内容だったと思います、たぶん。
モネはアルジャントゥイユに住んでいる間に259枚の絵を制作し、うち156枚がこの町を描いたものでした。


引き出しやタンスを開けると、モネの絵や解説を見ることができます。次はどんな絵に出会えるのかとワクワクする仕掛けです!アルジャントゥイユのどこで、どの方角を見て描いた絵なのか図示されている絵もあります。気になる絵があれば、すぐにモデル地に行けるので嬉しいですね!
また、アルジャントゥイユの産業化も重要なテーマで、館内の説明文でも繰り返し触れられていました。1863年、モネがこの町に住む少し前に鉄道が開通し、そこから劇的に町が発展したそうです。モネの絵にもしばしば鉄道が描かれていたり、田園的な風景でも遠くに煙突が見えていたりと、アルジャントゥイユの変化がしっかり捉えらえています。
モネが描いた田園的な風景は、今でもla butte d'Orgementやla butte des châtaigniers にて見られるそうです。(今回はそこまで足を伸ばせず…また次回!)


アルジャントゥイユの工業化が進むにつれて、モネはこの町の絵をあまり描かなくなり、かわりに庭の絵を描くようになりました。モネがしばしば描いた庭にも、足を踏み入れることができます!3月半ば、春らしい日が増えてきたタイミングでの訪問だったので、日差しが降り注いで暖かな雰囲気でした。

戸外で描くことを好んだモネは、アトリエ船を作り、水上での制作を可能にしました。モネの家には、香りまでアトリエ船を再現したコーナーがありました!図工室の絵具の匂いに似ていて、懐かしさを感じました。


モネ風の絵を描いてみよう!のコーナーもありました。画面上のヨットの輪郭を参考に、タッチパネルでペタペタと色を重ねていきます。完成すると、実際のモネの絵と並べて表示してくれます。モネの描く空や水の美しさと、自分の下手さに感動です( ;∀;)
街歩き

まずはモネの家の正面の道をセーヌ川の方へまっすぐ進み、突き当たりから鉄道橋を眺めてみました。モネの家の解説によると、アルジャントゥイユとパリを結んで、この町の近代化を推し進めた重要な建造物です。
木の影に隠れてしまったので、後述のアルジャントゥイユ橋から見た方が綺麗でした。

続いてエロイーズ大通りに沿って進み、アルジャントゥイユ橋へやってきました。ここからは綺麗に鉄道橋が見えます。向かって右側には宅配サービスの拠点があり、それでコンテナが並んでいます。2026年の現在においても、セーヌ川や河岸の自然・近代都市という二つの側面を感じることができます。


アルジャントゥイユ橋は戦争のため1870年に破壊され、木造の歩道橋が応急処置で造られました。シスレーの絵で描かれている木造の橋は、1874年に石や鉄でできた頑強な橋に置き換えられたため、現存していません。が、立派になったアルジャントゥイユ橋で思いを馳せることはできます。
この日の橋の上ではかなりの強風が吹いていて、シスレーの絵画道具は吹き飛ばされなかったのかしら…と余計な心配をしてしまいました。


続いてはシスレーが描いたアルジャントゥイユの広場へ。実はモネも同じ広場を題材に絵を描いていて、モネの家にモデル地の地図があったので、かなり正確な場所で写真を撮ることができました。建物も道も当時とは変わっていたものの、当時と同じ姿の教会が目印になってくれました。


せっかくなので教会の中も見学しました。ステンドグラスを通してカラフルな光が降り注ぎ、とても暖かな雰囲気の教会でした。
印象派の絵画を見た後だと楽しさ倍増なので、ぜひオルセー美術館を訪れた後に足を運んでみてください。よく晴れた暖かい日の観光がオススメです。