セーヴル陶磁器美術館!巨大花瓶・ピカソ・モダンアートで見ごたえ抜群!

セーヴル陶磁器美術館 (Le Musée national de céramique)

先日、セーヴル陶磁器美術館を訪問しました。パリ近郊、セーヴルの街のセーヌ川のほとりに位置しており、トラムやメトロの駅がすぐ近くにあるのでパリからもアクセス良好です。国立の美術館なだけあって、とても立派な建物です。

陶磁器といっても、見慣れた食器の展示ではありません。彫刻あり、陶磁器の板に描かれた絵画あり、巨大花瓶やモダンアートの部屋もあり、かなり見ごたえのある美術館でした。

2026年の元日から建物修復・より良い展示の準備のため、臨時休館しています。営業再開がいつかは現時点で不明ですが、新しい展示も楽しみです。下記の内容は休館前のものとなります。

受付フロア:セーヴル焼の手法と歴史

受付のあるフロアには、セーヴル焼の手法や歴史が展示されています。

陶磁器上の色見本。職人はこれを頼りに最終的な色合いを予想して作業した。

セーヴル磁器はコバルトを原料とした美しい青色でもよく知られています。ラピスラズリブルー、インディゴブルー、キングズブルー(王の青色)など、40もの異なる青色が定義されているそうです。陶磁器上の色見本の展示では、青に限らず様々なグラデーションの色の表現が可能だったことがうかがい知れます。

複雑な工程を経てセーヴル磁器は作られる

セーヴル磁器の制作方法の図です。とても手間暇をかけて作成していることが分かります。1960年ころまで竈の燃料は木材もしくは石炭で、電気やガスで火の勢いを調節できる現代と比べると、火を入れる際のリスクがかなり大きかったそうです。まさに職人技だったのですね。

国宝認定の陶磁器2点。マリー・アントワネットに捧げられた。

2025年にこの博物館所蔵となった、マリー・アントワネットに捧げられた国宝認定のセーヴル磁器の展示もありました。18世紀末には乳製品をいただきながら休息できる場所として乳製品加工所が流行し、王妃のためにランブイエ城にも加工所を設けたそうです。奥が砂糖用、手前がミルク用の壺で、ミルク壺にはヤギが描かれています。ヤギのチーズは最高においしいですもんね。装飾の青、赤、緑、いずれも上品な発色です。

上階:絵画、花瓶、歴史、モダンアート

陶器に描かれた絵画の展示

上階に上がると、壁に綺麗な絵がかけられています。なんとこれらは、平らな磁器に描かれた絵なのです!いずれも1800年代の作品で、木材を燃料としていた当時はムラのない加熱なども難しかったはず。これほど精緻な絵を、自然で美しい色彩で仕上げる職人技には頭が上がりません。

大きな花瓶が飾られた部屋

部屋に入ると、巨大な花瓶が出迎えてくれます!花瓶はいずれも個性的で美しく、部屋に入った瞬間に圧倒されました。陶磁器に描かれた精緻な絵や、煌びやかでありながら上品な黄金の使い方にも注目です。

なお、この部屋はオスマン帝国と連合国との間で第一次世界大戦後に結ばれたセーヴル条約締結の場でもあるそうです。

時代や製作地ごとに、膨大な量の陶磁器が展示されている

続く部屋ではフランスにおける陶磁器の歴史が展示されています。17世紀頃は中国や日本の陶磁器を再現しようと試行錯誤していたようです。東アジアの民としては、お手本にしてもらえて誇らしい気分です。ヨーロッパやフランスのオリジナリティが出てくるまでの流れも説明されています。

ピカソによる陶芸作品

ピカソの作品も展示されていました!実用性は置いといて、実験的にいろいろな形の陶磁器を制作していたそうです。おとぼけ顔のフクロウさんがとてもキュートです♡

モダンアートの展示(左)、木村芳郎『波の杯』(右)

最後には陶磁器のモダンアートの展示もありました。中には日本人の作品もあって、なんだか嬉しく感じました。木村芳郎『波の杯』は地中海の空と海の色にインスピレーションを受けて作成されたそうです。鮮やかな青のグラデーションと、波打つ表面がとても美しい作品です。他にも個性的な作品がたくさんあり、興味深い展示スペースでした。

施設情報

名称:セーヴル陶磁器美術館 (Le Musée national de céramique)
住所:2 Place de la Manufacture, 92310 Sèvres
開館時間:臨時閉館中…
入場料:7ユーロ
展示の説明:重要な文章は英仏並記だが、フランス語のみの説明文も多い
HPhttps://www.sevresciteceramique.fr/