
先日、ブローニュの森の南に位置するアルベール・カーン美術館へと足を運びました。100年前の世界中の写真が大量に展示されていて、時空を超えて世界旅行している気分に浸れます。また、広い庭園、なかでもクオリティの高い日本庭園がとても素敵でした。フランスに長期滞在していて日本の雰囲気が恋しくなった方、綺麗な庭でのんびりしたい方にオススメのスポットです。
美術館


街中で一際目を引くオシャレな建物が、今回訪れたアルベール・カーン美術館です。この建物を設計したのは、なんと隈研吾!パリ郊外で日本の建築家の作品に会えるなんて、なんとも嬉しいですね〜!エントランス付近は枯山水をイメージしたデザインとなっていて、和の雰囲気を感じられます。

展示室に入ると、写真がズラリと並んでいます!100年前に世界各地で撮られた写真ではあるのですが、それぞれの写真はなんとも普通です。まるで『地球の歩き方』に載っていそうな、綺麗だけど教科書通りの写真です。衝撃な瞬間を捉えていたり、優れた構図でエモかったり、とかはありません。また、一つ一つの写真に解説はありません。この写真は中国かな、あの写真はアラブのどこかかな…と自分で考えるしかないのですが、写真をじっくり見てあれこれ予想するのはなかなか楽しい時間でした。


日本の写真もありました!100年前というと、明治〜大正時代くらいですね。地面も家も着物も時代を感じさせます。たしかに写真が残っていないと、100年前の生活様式は想像が難しいです。

アルベール・カーンはアルザス生まれの銀行家で、鉱山のビジネスが大当たりして莫大な財産を築きました。その財産で行った数々の慈善活動のうちの一つが「Les archives de la planète」というプロジェクトです。世界各地で何千枚もの写真を撮り、彼が生きた1900年頃の世界のアーカイブとして後世に残してくれたのです。
彼の目的を思えば、写真をずらっと並べた展示空間にも納得です。見る人の感情を揺さぶる一枚を撮るのではなく、たくさんの写真で当時の世界を伝えようとしてくれたのですね。何枚もの写真を遠目に眺めたり、たまには一枚に狙いを定めて近くでじっと見てみたり、気ままにズームイン・アウトして楽しめる、他にはない空間でした。
庭園

庭園のマップはこちらです。フランス式庭園、英国式庭園、日本庭園のほか、敷地の奥には小さな森が広がっています。庭はかなり広く、のんびりとお散歩するのにちょうどいいです。テーマごとに雰囲気がガラリと変わるので退屈しません。


イギリス式庭園には池や木々があり、ひっそりと妖精でも住んでいそうでした。フランス式庭園はより人工的な感じで、暖かい季節にはバラが咲いているはずです。
森は庭園よりは鬱蒼としていましたが、美術館の敷地内なのできちんと手入れされており安心安全です。街では見かけない巨大松ぼっくりが落ちていて、我が子は大興奮でした。


日本庭園は、しっかりと和の雰囲気を感じられました。朱塗りの橋や灯篭があったりして、日本の実家近くの庭園を思い出したりして、とても懐かしくなりました。秋に訪問したのでモミジの葉が紅葉していて、池では錦鯉が泳いでいて、まさに日本の秋~!
フランスでは、特にお寿司屋さんとか、「なんちゃって日本」な商品を見ることも多いのですが、ここの庭園ではそうした違和感がほとんどありませんでした。

庭園内にはいくつか建物が散在していて、アルベール・カーンと庭園の関りなどが展示されていました。
施設情報
名称:アルベール・カーン美術館 (Musée Albert Kahn)
住所:2 Rue du Port, 92100 Boulogne-Billancourt
開館時間:
10月~3月:火曜~日曜の11:00~18:00 ※最終入館は17時
4月~9月:火曜~日曜の11:00~19:00 ※最終入館は18時
※月曜日と1/1、1/5~19、5/1、12/25は休館。
入場料:9ユーロ ※26歳以下は無料
展示の説明:フランス語と英語の併記
HP:Musée Albert Kahn