
バルザックは『ゴリオ爺さん』『谷間の百合』をはじめとする90もの小説からなる人間喜劇を執筆したことでよく知られています。バルザックが暮らした家が、今ではバルザック美術館としてパリ16区にこぢんまりと佇んでいます。
決して万人受けする施設ではないけれど、バルザックの作品を読んだことがある人なら楽しめそう。私も『ゴリオ爺さん』『谷間の百合』くらいしか読んでいないですが、展示を興味深く楽しめました。
アプリ内の説明が充実しているので、訪問を迷う方は一旦アプリで内容を確認してみるといいかもしれません。現地で雰囲気を感じ取りたい!と思ったら、ぜひ訪れてみてくださいね。
Maison de Balzac とは
この家は、借金取りに追われたバルザックが逃げてきて、彼の言葉を借りれば「ネズミが穴に隠れるように」ひっそりと住んでいた場所です。しかし執筆の仕事は続けていて、『従姉妹ベット』『従兄弟ポンス』などもここで書かれました。
入り口には様々な文豪によるバルザック評が展示されています。かの有名なドストエフスキーも彼の一連の作品を称賛していたようです。
仕事場 (Le cabinet de travail)

バルザックの仕事場も残っています。中央の机では、実際にバルザックが作品を書いていたそうです。彼が原稿に羽根ペンを走らせたことによる凹み跡も目を凝らせば見えるらしいです。
登場人物の部屋 (La salle des personnages)

個人的に面白かったのが、こちらの「La salle des personnages (登場人物の部屋)」。人間喜劇に登場するキャラの版画が所狭しと並んでいます。


こちらは『ゴリオ爺さん』から、墓地にいるラスティニャックの絵と、ヴォートラン&ラスティニャックの絵。


ヴォートランは人気なようで、版画がたくさんあり、小さな像まで展示されていました。
ちなみに人間喜劇の登場人物の数は約2,500人です。参考までに漫画ワンピースのキャラ数は2025年現在で1,500名前後らしい。人間喜劇の方が1,000人も多いのですね!これは小説でも挿絵でも書き分けが大変そう。
お庭

家の周りには小さな庭園とカフェがあります。お庭は手入れされていて、綺麗なお花が咲いていました。カフェは、観光客より地元民の方が多い様子でした。コーヒーを飲みながらお勉強している若者がいたりして、パリ中心地の喧騒から離れた、ゆったりとした時間が流れていました。
いつか人間喜劇を全篇読みたいと思いつつ、なかなか時間が取れない私ですが、ここを訪れると読む気がムクムクと湧き上がってきました。個人的にはバルザックの作品をもっと読んだうえでリベンジしたい場所でした。
施設情報
名称:Maison de Balzac
住所: 47, rue Raynouard 75016 Paris
開館時間:火曜〜日曜の10時〜18時 ※月曜休館
入場料:無料(企画展は有料)
展示の説明:フランス語のみが多い。部屋のテーマなど、主要な文章のみ英語併記あり。アプリ内説明文はフランス語・英語ともにあり。
HP:https://www.maisondebalzac.paris.fr/
アプリ:https://www.maisondebalzac.paris.fr/en/ressources/mobile-app