ニュルンベルクのあとはバスでライプチヒへと向かいました。世界史では諸国民戦争でナポレオンが敗れた地として教わったのを覚えています。また、来てから知ったのですが、ゲーテやその代表作『ファウスト』との関係が深い土地だったようです。
『ファウスト』ゆかりのレストランへ
ゲーテは16歳の頃、法律をまなびにこの町へ来たそうです。そんな彼を偲んで、街の中心部にゲーテの像が立っていたりします。
Auerbachs Keller 周辺
中央広場のすぐそばに、かのゲーテも通い詰めたというAuerbachs Keller (アウアーバッハス・ケラー)というレストランが存在します。お店のホームページに詳しい歴史が書いてあったので、引用します。
1525年、ライプツィヒ旧市街の中心にあるMädler-PassageにAuerbachs Kellerが創業しました。その歴史ある地下室の名は、当時の医師で市会議員であったDr. Heinrich Stromerの生まれ故郷Auerbach in der Oberpfalzに由来します。また1765〜68年、若きヨハン・ヴォルフガング・ゲーテがライプツィヒへ勉学のためにやって来た際、彼はあるAuerbachs Kellerの客人から黒魔術師ヨハネス・ファウストス博士の伝説を耳にします。店の雰囲気やその旧き伝説絵画に魅せられたゲーテは、ライプツィヒの名高き地下室を彼の『ファウスト』に登場させます(Auerbachs Kellerの場面)。以来、そんな由緒ある史実を希少な空間で美味な料理と共に味わうために、世界中から毎日たくさんのお客様がAuerbachs Kellerへ足繁く訪れています。
↓引用元(日本語ページあります)↓
www.auerbachs-keller-leipzig.de
お店への入り口付近には、ファウスト博士とメフィストフェレスの像が立っていました!メフィストフェレス、見るからに胡散臭いです!
その向かい側には学生たちの像があります。『ファウスト』にAuerbavhs Kellerが登場しているので、その場面を模しているのですね。
ちなみにAuerbachs Kellerが登場するのは『ファウスト』第一部2073~2336行目、"Auerbachs Keller in Leipzig"という場面です。フロッシュ、ブランダー、ジーベル、アルトマイヤーという大学生たちが楽しく酒盛りをしているところに、メフィストフェレスとファウスト博士がやってきます。メフィストはファウストに陽気な一座を見せるべく、大学生の一団に近づいて話に加わります。そしてテーブルの縁に錐で穴をあけ、不思議な呪文を唱えると、なんとテーブルからワインが流れ出したのです!大学生たちは大喜びでお酒を飲みますが、それもつかの間、酔ってうっかりお酒をこぼしたところ、炎となって燃え上がってしまいました。たぶらかされたと知った大学生たちは怒ってメフィストに短刀を突き立てようとしますが、またも魔法で幻覚を見せられ、足止めされてしまいます。その間にファウスト博士とメフィストは樽に乗ってまんまと飛び去ってしまったのでした。
Auerbachs Keller 内部
レストランの中はこんな感じです。かなり広く、人数も入れるので、予約など無しで余裕で入店できました。
お店も『ファウスト』をかなり意識しているようで、周りの壁にいろいろな場面の絵があったり、写真のように置物があったりしました。樽に乗っているのは、Auerbachs Kellerから逃げ出す場面をイメージしているからですね。それにしてもメフィストフェレスの顔が白塗りなのがミュージシャンみたいで妙に気になります。
お食事にはお肉をいただいたものの…かなり大味で、日本育ちの私の舌にはちょっと合いませんでした^^; でもビールは飲みやすくて美味しかったです!グラスにもファウスト博士とメフィストフェレスいました。今思えば、せっかくだから『ファウスト』にあやかってライン葡萄酒でも飲めばよかったかも。
残念ながら悪魔と博士が突然やってきたり、テーブルからワインが流れ出したりなんてことはありませんでしたが、物語の雰囲気を肌で感じることができて大満足でした!
メフィストバー
Auerbachs Kellerは地下にあるのですが、地上にはMephist Bar (メフィスト・バー)という姉妹店があります。1989年にオープンした、比較的新しいお店なのだとか!店内にはメフィストをイメージした、悪魔の置物や絵がたくさんありますが、全体的におしゃれでかわいい雰囲気です。
私はお昼過ぎにここを訪れたので、おやつにメフィストトルテをいただきました。ケーキの上に載っているチョコの板に、実はファウスト博士とメフィストのイラストが彫り込まれていて、とってもかわいい&美味しいデザートでした。”Mephist No.1”や"Mephist Feuer(メフィストの炎)"、"Mephist Special"といったオリジナルカクテルもあるようです。
Auerbachs Keller 関連ツアー
以下のポスターがお店の近くに掲示されていて、ガイドツアーだってことは判ったんですけど、申し込み方法が分からず参加できませんでした…。ドイツ語でしか案内なかったので、たぶんツアーもドイツ語だけだったのかもしれませんね。帰国して電子辞書使いつつ訳してみたので、今後行く人がいたら参考にしてください。間違ってたらごめんなさい、てへ。
ガイドとお食事セットのご案内
Großen Keller(地下のAuerbachs Keller本店)のお土産スタッフに直接言うか、(0)341.21610-0に電話することで、以下の3つのツアーに予約可能です。
ゲーテと『ファウスト』の跡をたどるツアー
毎日11:30~、一人17.5ユーロ
およそ30分の楽しいガイドツアーで、歴史的なワイン酒場と広い地下酒場を体験しましょう。それに引き続いて、その日の日替わり料理と、メフィストターラー(お土産コイン?ソーセージ?)を提供いたします。
ルターの跡をたどるツアー
毎日14:00~、お昼ご飯付きなら一人17.5ユーロ、コーヒーとケーキ付きなら一人12.5ユーロ
およそ30分のルターツアーを通じて、宗教改革者マルティン・ルターや彼がライプチヒで過ごした期間に関するたくさんの価値ある知識を得ることができます。お土産としてルターのポストカード「秘密の会談」をお渡しします。ガイドツアーは、お昼ごはん(ザウアークラウトとザクセン地方のお肉のシチュー、もちもちじゃがいも)もしくはコーヒー&ケーキとのセットで予約可能です。
メフィストおしゃべりツアー
毎日15:00~、一人当たり12.5ユーロ
およそ30分の楽しいガイドツアーを通じて、歴史的なワイン酒場と広い地下酒場を探検しましょう。それに引き続き、一杯のコーヒーと有名なメフィストトルテ、ならびにメフィストターラーをお土産として差し上げます。
次行くことがあれば絶対参加したい…!!
諸国民戦争記念碑
世界史選択だった私にとって、やはりライプチヒといえば諸国民戦争の土地だったので、その戦勝記念碑にも足を運んでみることにしました。
市内中心部からはちょっと離れているので、トラムを使ってVölkerschlachtdenkmalという停留所まで行くと楽です。私はお腹を空かせたかったので徒歩で市内まで帰ったのですが、およそ一時間かかっちゃいました。
停留所について少し進むと、すぐに怪しげなモニュメントが見えてきます。余りの巨大さにびっくりするはずです。
もっと近づくとこんな感じです。手前にうつっている重機と比較してほしいのですが、とにかくめちゃくちゃデカいです。
記念碑についた時には営業時間を過ぎていたため、内部の博物館には入れず、外側の無料で登れるところだけ登ってきました。奥の方にライプチヒの街が見えます。手前の庭?が工事中だったのだけ残念でしたが、眺めはいいのでぜひ登ってみてください。
旧市庁舎
せっかくなので旧市庁舎にも行ってきました。正直、プラハやブレーメンの旧市庁舎の方が街の個性が出ていて楽しかったような気がします。でも、バッハの音楽を聴けるコーナーがあったりしたので、音楽好きの方は楽しめるかもしれません。
どうやらライプチヒの旧市庁舎は歴史博物館としての役割も果たしているようでした。順路に沿って進むと、中世~諸国民戦争までの展示があります。
上階には、19~21世紀に関しての展示があります。照明や部屋のレイアウトがかなり凝っていて、モダンな雰囲気を醸し出しています。それだけに、展示の説明がドイツ語ばかりで、英語がほとんどなかったのが残念でした…。でも、雰囲気だけでもそこそこ楽しめると思うので、旧市庁舎を訪れた際にはぜひ足を運んでみてください!
Permanent Exhibitions - Stadtgeschichtliches Museum Leipzig
トーマス教会
ライプチヒの中心部にあるトーマス教会は、かの有名な作曲家、ヨハン・セバスティアン・バッハゆかりの地だそうです。教会の脇には彼の像が立っています。
内部はこんな感じです。バッハゆかりの地ということで、連日音楽系のイベントが開催されているようです。私が訪れたときにも、子供たちが讃美歌?の発表会を行っていました。
おまけ
馬の鼻から水が噴き出しています。鼻水ということでしょうか。
次はブレーメンへと向かいます!