女子大生一人で重慶大厦に泊まってきました

重慶大厦ってどんなところ?

先日、香港へ一人旅をしてきました。学生なので、宿泊費はなるべく安く済ませたい…Booking.comで安価かつ口コミがそれなりによかった「Marrygold Hostel」を予約。尖沙咀駅から徒歩一分で、アクセスも良好。ふむふむ、いい宿が見つかってよかったー!

www.booking.com

そして迎えた旅行当日。空港のロビーで暇を持て余し、重慶大厦へのアクセスを再確認しようとグーグルで調べたところ、

グーグルの予測候補に「エボラ」の文字が…

え…

news9plus2.com

3年前に、エボラ出血熱の疑いのあるアフリカ席の宿泊客が発見されたという話らしい。結局陰性だったから問題なかったそうだけど、なんだか心配になってきた…。

自分を安心させるために「重慶大厦 治安」で調べてみると…

news.livedoor.com

え…

私も女子大生なんですが…

生きて帰れるのかな…

他のホテルを調べてみるも、三泊10万とかばっかり。たまにとまれそうな値段のホテルがあっても、住所を確認すると同じく重慶大厦内。

もうやだ帰りたい…でも搭乗始まっちゃった…

香港旅行をやめる、ホテルを変えるほどの踏ん切りも付かず、とりあえず重慶大厦へ向かい、治安が悪そうだったら思い切ってそこでホテルを変えようと決意。

無事に帰れますように…

チェックインしてきた

尖東駅でMRTを降り、大通りに面した角を曲がると、すぐに重慶大厦が見えてくる。口コミ通り、インド人のお兄さんに「ニセモノトケイ、アルヨー」「コンニチハー」などと言われるも、正直怖かったのでガン無視して中へ入る。

一階には両替屋、カレー屋、雑貨屋、ネカフェなど様々なテナントが入っていました。日本で用意し忘れていたプラグ変換アダプターを見つけたので、インド風の店員さんに値段を聞いたところ、10ドル(およそ160円)とのこと。安かったし、怪しげな雰囲気だったので心配だったけれど、普通に使えました。疑ってごめんなさい。SIMカードの同時購入を勧められたけれど、そちらは断りました。

そして、重慶大厦、本当に構造が分かりにくい!私はD棟に行きたかったのですが、D棟用のエレベーターが見つからず…。カップル風の旅行者や、警備のおじさんなど、怪しくなさそうな人に道を聞いてやっとのことで見つけ出せました。(ただ、今思えば、インド風・アフリカ風の人に聞いても、普通に道を教えてもらえたと思います。)

重慶大厦には、(たしか)入り口を入って少し進んだところにサービスカウンターがあり、英語が通じる警備のおじさんがいるので、何かあったら頼ると親切に教えてくれます。エレベーター内の防犯カメラ映像も彼らがチェックしてくれているので、安心でした。

f:id:riboribo:20170228155524j:plainエレベーターを降り、看板に従って進むと、受付のお姉さんがいました。Booking.comで印刷してきた予約の紙を見せると、もう一人のスタッフのお兄さんと何やら話し始めます。早口でよく聞き取れないけど、「もうこの部屋、他の人入れちゃったんだけど!」的なことを言っている様子…。そして、Bookingの紙を返され、「明日また来て」とのこと。

え…

私、21時過ぎに重慶大厦に一人放り出されるの…?

それはやばい…

拙い英語で「いや、でも今晩から予約してました。今晩泊めてくれないと困ります」と反論したところ、「OK.」とのこと。いいんかい。結局、やっぱり私が予約していた部屋にはすでにほかの人が入っていたようで、A棟17FのNew London Hostelに泊まることになりました。

部屋へはスタッフのお兄さんの案内で行きました。不安な様子の私を励まそうとしてくれたのか、日本の事や香港の事など世間話をたくさんしてくれました。親切な人でした。部屋の前でチェックアウト時のこと、Wi-Fiのパスワード、緊急連絡先を教えてもらい、スタッフさんとはお別れしました。

部屋の概要

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精一杯ズームアウトして撮った写真です。部屋全体で畳二畳分くらい。シングルベッドが一台あり、もう一畳分のスペースにトイレと玄関があります。

17Fと高層階だからか、虫には会いませんでした。その代わり、火事になったら問答無用で死にます。

アメニティには全く期待していなかったのですが、意外にもバスタオル・歯ブラシ・歯磨き粉・スリッパ・トイレットペーパーが用意されていて、ホスピタリティを感じました。ベッド・布団は安っぽいけれども、廊下にシーツが干されていたことから考えるに、きちんと洗濯してくれている…と信じたい。Wi-Fiの速度は日本と変わらず、文句なし!ただ、テレビ・リモコン・エアコンはあったものの使えず、さらにトイレの蓋が外れていたため水を流すのも一苦労でした。

今回は2月に行ったのですが、気候は日本より少し暖かい程度。夜はやはり冷えました。特にこの宿では、布団が薄かったため、尋常じゃなく冷えました。毎晩コートを着て寝ていました。冬に行くなら、暖かい上着を用意していくべきです。

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トイレ兼シャワールーム。湯沸かし器がついているものの、冷水or熱湯の二択でした。熱湯にして、お湯を流し、だんだんとぬるくなってきたそのタイミングを見計らって、烏の行水をしていました。冷水でゆっくり洗っていたら風邪をひきそうで、とてもシャンプー・コンディショナーをする暇なんてなかったので、エブリデイ湯シャンでした。だんだん髪がスネイプ先生みたく脂っぽくなりました。まあ一人旅だしいいや。風邪をひいてここで倒れるよりはマシだ…。

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廊下の窓からは香港の100万ドルの夜景…の代わりに、マイナス100万ドルの排気口が見えます。慣れてしまえば、廃墟感がたまらなくワクワクします。廃墟じゃなくて、ただ汚いだけだけどね。

感想

治安

来る前は犯罪などとても心配でしたが、特に何事もありませんでした。サービスカウンターのおじさん、テナントのインド人、重慶大厦の住民、外国人のバックパッカー…様々な人に会いましたが、みんな親切でした。エレベーターで「コンニチハー」などと話しかけてくる方も多く、ほっこりしました。

怖い前情報が多かったけれど、近年では治安改善の取り組みがなされていて、2017年現在は決して恐れるべき場所ではなかったみたい。安心して泊まれます。

だけど、今回出会った人がみんな優しかったからと言って、重慶大厦にいる人全員が優しいわけではありません。1000人に1人でも悪い人がいたら…もしその人が、私の近くにいたら…アウトだったかもしれません。今回は幸いシングルルームを予約していたので、部屋に入ってさえしまえばとりあえずは安心でした。部屋に出入りするときは、周りに怪しい人がいないかしっかり確認していました。女性一人旅なら、宿泊費をケチりすぎず、ドミトリーではなくてシングルルームで予約するべきだと強く感じました。

立地

思った以上に好立地でした。尖沙咀、尖東駅まで歩いてすぐ。香港島息のフェリー乗り場にも歩いて5分ほど。マカオ行きのフェリー乗り場にも歩いて10分ほど。近くに飲食店多数。マクドナルドのようなファーストフードも多数。さらに飲料水、ちょっとしたお菓子なら一階で買えるし、ネカフェや両替屋も重慶大厦内に完備。端的に言って最高。

施設

とにかく狭い!汚い!でも、慣れてしまうと、それがいい味出しているように思えてしまう。まさに「住めば都」の宿でした。

安く香港旅行したい人にはおすすめ!

初日は「早く帰りたい、重慶大厦だいきらい…」とブルブル震えていた私も、三泊して帰るころには名残惜しさすら感じてしまいました。また香港来ることがあったら泊まっちゃうかも。

これから重慶大厦に泊まるという方も、臆せず雰囲気を楽しんできてくださいっ!

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 ばいばい重慶大厦!